じゃじゃ馬、香港の下町に初上陸した時の話。【深水埗/Sham Sui Po】華南冰室で朝食を。
みんな大好き、サムスイポーエリアのお話です。
普通に字面を見ていると「シャムスイポー」なんだけど、なんとなく地名が可愛くて好き。。。
私が一番最初に香港に来た時に降りたエリアはここでした。
羽田から香港エクスプレスのAM1:00位の便にのり、3列シートの間には空席があったものの、いびきの大きいおじさん(同じ年だったりして・・・)に悲しい気持ちになりながら、ノイズキャンセリングイヤホンで、ひたすら音楽を聴いて眠れもせずに香港・・・。
初めての香港にびびりつつ、天気がいいのと、セブンの上にいかがわしい大人のお店があって、ビクビクしつつ、勇気を出しての一枚がこちら。笑
深呼吸して周りを見渡すと、朝からみんながせわしなく早歩きしている感じ、どこの国に行っても好きな時間です。
そしてこの下町の大好きなバタ臭さ。⇦褒め言葉。
建物のギュウ詰め感、サイコー。
竹の足場もサイコー。
絶対トランスフォーマーみたいなことできないって思っちゃうくらいの小さいけど出っ歯てる足場もサイコー。
ちょっと懐かしいフィリピンの人々の独特な制汗剤?のにおいもサイコー。
私は地下鉄から降りてすぐに更に大きく息を吸い込みながら、香港が大好きになった一瞬でした。
そしてそして。
ここに最初におりたのは、ネットで見つけたお店に行って、飲茶ではなくて、普通の軽食的な香港の人が食べる朝ご飯を食べたかったのでした。
セブンからぐいぐい歩き、とにかくGooglemap大先生の指し示す矢印に向かう。
角を三つくらい越えた頃に、お目当ての看板が見えてきました!
「 華南冰室」香港 Sham Shui Po, 深水埗桂林街87號
華南冰室 - 深水埗餐廳 ,華南冰室 - SeeWide 香港特搜
歩道は露店の準備なのか撤退なのか、他のおっちゃんが占領しておりまして、このお店の看板の下までは車道をあるき、内心びびりつつも、看板の下くらいになったら通路が店の前だけ空いているっていうか、段ボールをよけてくれている感じでした。このお店朝六時からやっているんです。空港からでてすぐに来ても大丈夫!!
勇気を振り絞り、「は、はろー・・・」
そうですよね、えぇ。
英語なんてだめですよね。えーん!
でも食い意地が勝つので、大丈夫。
店内のおじちゃんがジェスチャーで「一人('_')??」とやってくれたので、無言で「ウンウン!」赤べこのように首を上下に振り、店内の奥に案内してくれました。。。
地元民溢れる感じでなんとも言えず。
初めて来たのにノスタルジックな気分にひたり、昨夜の残業から空腹8時間に耐えた自分を褒め称える。
と、つかの間。
「注文は?」的な、おじさん。
メニューは勿論日本語も英語もない。Google大先生は広東語もない。
あーうー・・・困ったな。、と思っていたところ、給仕のおじちゃんが、常連さんに「あんた英語出来るだろう?」って話かけてくれたような。
たまたま隣のテーブルにいた、香港の下町の紳士が降臨してくれて、タイミング良く鳴り響いた私のお腹の音を聞き笑いながら、どんなものが喰いたいんだと質問してくれました。
私 「シンプルな朝ご飯とミルクティーを食べたいです・・・!!」(/_;)ぐー
紳士「・・・それならスープとパンだな。」
私「・・・(赤べこ)いえすいえす!」ぐー
紳士「普通のマカロニスープで良いのか?卵サンドか?」
私「・・・(赤べこ)いえすいえす!」
紳士「ホットでいいのか?」
私「・・・(赤べこ)いえすいえすうううう!!!」(T_T)ぐううう恥。
紳士はにこりと笑いながら、給仕のおじさんに説明してくれました。ほっ・・・
紳士はそれでは邪魔したら悪いから、と元の席に戻ろうとするところ、いえいえ、
一緒にたべましょうよ!と声をかけさせていただき、一緒に朝食をいただくことになりました(てゆーかしてもらった)。
店の給仕のおじさんが一旦もどり、マカロニスープが量が多いけど、食えるのか?とのこと。モーマンタイであることを伝えてまた失笑をかう。すみませんね…
私の朝食とサムスイポー紳士の御手はこちら。
これが食いたくて来たんです。(T_T)涙
普通の皆さんがたべてるやつ。。。
紳士はパイナップルバンとミルクティーがいつものメニューだそう。
初めての港式ミルクティー、初めてのマカロニスープ、初めての広東語…
多謝も言えない、本当の最初です。とてもおいしく、うまいうまいYummy!!といいながら食べる私に地元のみなさんも「だろ~~!!(ドヤァ・・・)」的な安堵の空気。(゚ω゚)
高級料理店よりもやっぱり高HP回復料理はこういう香港人の皆さんの毎日の血になっているエネルギーなのです。最高のお店、香港で一番好き。
その後。
紳士とはたくさんの話をしました。
私「ミスターはどうして英語が上手なの?」
紳士「いや、もっとうまいやつはたくさん居る。俺は発音が悪い」
私「そんなことはないです、助かりました。」
紳士「若いやつはもっとうまく話すよ」
紳士「俺の友人が日本にいったことがあるぞ」
私「どこ?」
紳士「(写真をみせながら)どこだかわからないが日本はとても清潔で安全そうだ。友人の笑顔でわかる」
紳士「どうやってここを知ったのか?」
私「インターネットで知った。」
紳士「ガイドブックを持っているならみたいけど、ある?」
私「ガイドブックはあるけど、どれも高いだけのメニューで美味しそうに見えないです」
紳士「・・・(あまりの日本価格に無言)。確かにここには美味しいものがたくさんある。でもな、確かにこういうガイドの本に載っているから美味しいと思う。でも高すぎる。美味しいと思うけどな」
決して他を批評しない。そして、高すぎる料理も受け止めている。
小娘が一人で来ても、これだから日本人は・・・という顔は一切せずに。
私たちはしばしの朝食の時間を、お互いのたどたどしい英語で楽しんで、ついに皿が空っぽになった。
紳士はじゃあ俺はこれから仕事だから、楽しむんだよ、と私の伝票を持って人混みのなかに颯爽と消えていき、後ろ姿でのバイバイ!をしてくれた。
今でも鮮明に記憶にある紳士のお話。
もう少ししたら、紳士に会いに行こうとおもう。